2008年10月
「歯医者好き」を増やすための心掛け
2008.10.20
先日テレビで、大腸がんを内視鏡で治すという外科医の先生を紹介していました。一般的には、大腸がんが肛門に近い場合は大腸を全摘し人工肛門にするとの事で、患者さんはがんが治ってもその後の生活が大変とのことでした。先生の話の中に「目の前の病気を治すだけでなく、患者さんのその後の人生まで考え、自分の家族だったらという気持ちで最善の治療を施しなさい」という言葉がありました。
歯科医として考えてみますと、世の中の多くの方が「歯医者嫌い」だと思います。なぜでしょう?まず、私たち歯科医が患者さんの言葉に真剣に耳を傾けなかったり、分かりやい説明が無いためだと思います。来院される殆どの患者さんはかなり緊張され平常心ではないので、なるべく私から声をかけリラックスしてもらうよう心掛けています。元々人と話すことが好きなので、患者さんと家族のような付き合
いができ、一人でも多くの方が「歯医者好き」になってもらえると嬉しいですね。
特に子供さんは、自分の意志とは関係なく親に連れて来られたという状況で無理をすると、一生「歯医者嫌い」になってしまいます。私は「子供さんとも一人の人間として接する」ようにしていて、毎回しっかり会話をした上で本人の意思を尊重し、やる気になるまでとことん待ちます。私は、子供たちが当院に通うことで精神的にも大人になってくれることを望んでいます。
「孫が歯医者に行くのを楽しみにしているのが不思議だ」と思って来院された「おばあちゃん」は、とにかく歯医者嫌いで、今回は「清水の舞台から飛び降りる覚悟」で来院されたようで、まず慣れるまでは毎回「歯ブラシのみで歯の掃除」を行っています。お互い自然体で無理なく接することができるようになればいいなと思っています。
CATEGORY : 愛媛経済レポート連載コラム