2021年7月
診療は、”思いやり”
2021.7.21
以前世界的な会社の近くで「私が院長、妻が受付」という条件で、4年間勤務していたことがあります。
前の先生がアルコール依存症で評判が悪く、最初の2,3か月は1日の来院患者さんは、5人位でした。このままだと潰れてしまうので、色々考えたあげく1人、1人大切にして患者さんの時間が許すかぎり歯のことだけでなく、いろんな話題で会話をすることを心掛けました。
ありがたいことに誠意が伝わったのか1年後位には、1日50人位来院され予約を取るのに3か月待ちが2年半続きました。ただ困ったことに1人の診療時間が15分位しか取れないため、なかなか診療が進まず治療の終わる期間と回数が増えてしまい迷惑をかけたので、今の病院では「小児30分、大人1時間」を取りできる限り治療期間と回数を減らすようにしています。
そんなある日妹から母が危篤の電話が入りましたが、私は勤務医のためなかなか仕事が休めず、母が亡くなってから1週間お休みをいただきました。母は56歳で亡くなり、私が現在56歳なので不思議な感じがします。
以前の病院で私の兄のようにお世話になった技術と人格のすばらしい先生が私の代わりに診療していただきました。1週間後戻りましたら「長谷川先生、いい仕事してるね」と言われました。理由を聞きましたら、なんと7割の患者さんが長谷川先生にみてほしいとキャンセルされたそうです。
患者さんにとって1番大事なのは、技術面でなくまずは人としての信頼関係が大切なのだと実感しました。
今後とも初心忘れず1人、1人の患者さんを大切に信頼関係を築いていきたいと思います。
CATEGORY : 感動秘話